『ラルース地図で見る国際関係』
僕は朝夕、世界の平和を祈っている。結構、まじめに祈っている。まあ誰しもそういう願いはあると思う。そして、平和について語るのならば、戦争が起きる力学のようなものを知っておかなければならないとも思う。 人類の歴史をひもとけば、そこには戦争が満ちている。戦争を知らずして平和も分からない。たぶん。
本書は、地政学的視点をヴィジュアル版ということで特殊な地図を用いてわかりやすく説明してくれている。僕はまったくの素人だが、素人が大多数なのだから、素人こそこういうことを学んでおくべきだと思う。
印象に残ったこと、ランドパワーとシーパワーのせめぎあいという概念、冷戦時代のときの両者の対峙の様子と、冷戦以降の構造の変化、現在の対テロ戦争における状況の不透明さ、必ずしも大国間の争いよりも極小地点が紛争の発信源になるなど。
『6度目の大絶滅』で、新パンゲア大陸の出現という話が出ていて、なるほどと思ったが、それは大陸間の移動が円滑に行われている場合であって、基本的には現在の大陸プレートの移動は相も変わらずゆっくりな訳だから、ヒトは地政学的にしばられざるを得ない側面は大きい。
<ヴィジュアル版>ラルース 地図で見る国際関係: 現代の地政学
- 作者: イヴラコスト,猪口孝,Yves Lacoste,大塚宏子
- 出版社/メーカー: 原書房
- 発売日: 2011/08/25
- メディア: 単行本
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