『村上春樹の短編を英語で読む1979~2011』
「テキストをどう読むかは読み手の自由」という考え方がある。そういう意味では、あるテキストを読んでどう感じるか、どう解釈するかということは、ひとりひとりの読み手にある程度ゆだねられていることになるし、それはひとりの読み手である僕にとっても自然なことだと受け止めている。
村上春樹氏の作品についての解説本、解釈本というべき一群の書籍(ムラカミ作品本とでもいうべきか)が多く出版されている。僕も参考として、ときどき読む。
本書は、長編を論じるムラカミ作品本が多数を占める中で、短編を中心に論じられている点で画期的だと感じる。ユニークなのは、短編、長編それぞれに独立して作品番号をつけている点である。整理しやすいと思うので、今後このブログで村上春樹氏の作品を取り上げるときは、本書で採用している作品番号をつけて表示したい。
ちなみに、前述した『世界の終りとハードボイルドワンダーランド』の作品番号は、「#4(長編)」である。