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この世で一番好きなのは、本を読むことと歩くこと(「ぐりとぐら」風に♪)

『ハルキ・ムラカミと言葉の音楽』

 僕と村上春樹氏の作品との出会いは、高校時代へとさかのぼる。当時、じぇいという友人が「これ、おもしろいよ」と薦めてくれたことがきっかけだ。それは『世界の終りとハードボイルドワンダーランド』という本だった。

それ以降、僕は好んでムラカミ作品を読んでいくことになるのだが、作品について論じた本に取り組むようになったのは、社会人になって以降のことだった。

その中でも印象に残っているのが、ジェイ・ルービン著『ハルキ・ムラカミと言葉の音楽』である。僕はどちらかというと次々に読破していくタイプの読み手ではなく、気に入った作品を繰り返し読むタイプの読み手だと思う。大学生のときには、『ダンス・ダンス・ダンス』にはまっていた。何度も何度も読みかえした。読んでいるとき、自分の脳内でなにが起こっていたのかは自覚的ではなかったが、本書を読んで気づいた。僕は、音楽を聴くようにして『ダンス・ダンス・ダンス』を読んでいた。そういうことはあまり考えていなかったが、指摘されてみると、自分の中では腑に落ちることだった。

ハルキ・ムラカミと言葉の音楽

ハルキ・ムラカミと言葉の音楽