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この世で一番好きなのは、本を読むことと歩くこと(「ぐりとぐら」風に♪)

『鶴見俊輔語録 この九十年』

 印象に残ったことば 「選集というのは、ありがたいものだ」という鶴見氏のことばがある。これまで出版された書物を読むだけでも全部を読むことは到底できない。ましてや、毎日新しく刊行されている書物も膨大なものであり、とても一人で価値のある書物を選び出して読む、ということは至難の業である。したがって、すぐれた選集はとてもありがたいものだ、という意味である。

いち読者としてみれば、どの選集を参考にするか、もっといえば選者を選ぶことが大事になってくると思う。狭い意味では書評集、歌集、網羅的にしたものなどの刊行物を編む人は選者に該当する。誰のブックマークを参考にするかといったことまでも選者を選ぶことに含まれる。また、無意識のうちに広告媒体を選者としている場合もある。Googleなどは、過去の検索履歴からその人の興味傾向に合いそうな検索結果を表示したり、広告を選択的に表示したりできるときいたが、検索エンジン自体が選者的機能を果たしていることになるのだろう。

出会いによって人生が広がっていくのだとしたら、日々、新たな選者との出会いを心がけたいものだと思う。

この九十年 (鶴見俊輔語録)

この九十年 (鶴見俊輔語録)